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2008年12月01日

白内障手術記録 

今回の手術で、あらためてにぃにぃの凄さに感動した。
どんな事があっても飼い主を信用しきっているニコチン。

だからどんな事があってもニコチンの事は、
守ってあげたい。

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これから、動物の白内障手術を受けるかどうか
悩まれている方の参考になれば…と思い、
詳細を書き記しておくことにした。



手術予定日時は平成20年11月18日の午後13:00過ぎだった。

11:00にAH(動物病院)に何も知らないニコチンを連れて行きました。

(術前の4週間前にジクロード点眼液を一日2回、
 2週間前にはミドリン(散瞳剤)を一日2回開始していた)

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いつもの様に診察を受けるまで1時間以上待ち。
症状に変化がないか問診を受けたが、
いつものニコチンの姿はそこにはなかった。

しっぽを丸めきって、預けられることを悟り、
嫌がるにこちんに、心を鬼にして『行きなさい!』とコマンド
すると、処置室の扉の向こうに
丸めきったしっぽの姿が消えていった。


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18:30には術後の診察や症状も安定していると思うので、
その頃電話をするようにと若い先生に指示を受けた。


その間、家にyukunと居ても落ち着かず、
近所の温泉でサウナに入りながら、
手術の成功というよりも、
『本当に踏み切ってよかったかどうか』
を考えながら待つことにした。


予定時間の18:35にAHに電話をすると、
若い先生が『いろいろありまして、まだ手術が始まっていません。
19:00過ぎから開始になると思います』

とのこと。


手術が終わっていない!
じゃなく…始まっていない?


確かにその日の外来は混んでいた。
午前の診療が伸びたと予想はできたが、
予定時間が6時間以上遅れる事ってあるだろうか?

今までのスタッフや先生の患者(犬)や
飼い主への対応などの悪さに自分が安心して任せられるかどうか
決心し兼ねていた思いが、一気に溢れ不安で胸がいっぱいになった。


21:30過ぎに院長のS先生から、
『手術は予定通り無事におわりました。
昨日、今日といろいろ急を要することが立て込んで、
こんな時間になってしましました。ご心配をおかけしました。
明日また9:30ごろにお電話下さい』といつもの淡々とした口調でそうおしゃった。


明日の9時じゃなく、
今すぐにでも迎えに行きたい気持ちでいっぱいだった。



11月19日 術後1日目 

9:30の指定された時間に電話をすると、
『退院は可能です。お昼ごろまでに迎えに来てください』とS先生。

逸る気持ちを抑え、11:30にAHに到着。
約1時間待ち、にぃにぃに会えるのかと思いきや、
診察室に通され、昨日の心配をかけたお詫びを受け、
術式について実際のオペのDVDを見ながら説明を受けた。


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『術式』
@点眼麻酔(本人は全身麻酔)後に、開眼器をつけて、直筋付近に制御糸を上下に2本固定。上眼瞼の強膜中央部に縦切開を約1mm加え、そこより卵円状に横切開を4mm加え反転するようにフラップ形成。
A両側の角膜にピンホール状のサイドポートを開け、粘弾性物質を入れて前房を確保し、トリパンブルー染色液にて前嚢を染色し顕微鏡下にてのマイクロサージャリーと超音波ペンシルを挿入して、水晶体の前嚢部を切開し、水晶体中心部の硬い核を超短波振動で破砕して眼外へ吸引除去した(超音波乳化吸引術:PEA)。

B次に残った水晶体の中に、テンションリングを挿入し、14mmの眼内レンズ(IOL:Acri.Tec AG社ドイツ製)を挿入(にぃにぃの水晶体の大きさは縦16.0mmx横16.5mmだった)した。テンションリングはそのまま留置(嚢外摘出術)。

CIOLが少し大きいため、再び前嚢部を切開し調整。強膜に2針バイクリルにて縫合。

D次にサイドポートより、角膜側からのアプローチで、後嚢の白濁を超音波ペンシルにて乳化し破壊した。なかなか白濁がとれなく、一部残存した状態となった。また、剥離が鋭利にいかず硝子体の一部も切り取った(嚢内摘出術?)。

E水晶体のあった部位を洗浄し、気泡を吸引し、外来に対する刺激の軽減とレンズのズレを防止する目的で、外眼角粘膜に2針バイクリルにて縫合し術式を終了。


以上、素人の自分にDVDにて約1時間かけて説明していただいたが、
理解できたのは、特に何もなかったのだなという事だけだった。

それよりもこの説明の間、遠くで聞こえるにぃにぃの切ない鳴き声が、気になって仕方がなかった。


後日、このDVDを何度も見て次の疑問がでてきた。
@後から後嚢を切り取ったのはなぜか?
A水晶体の核を超音波で砕くときに、水晶体の袋の後部 「後嚢」
 を誤って破損することがある。 一般的には、後嚢が破れてしまうと、 水晶体の核の破片が硝子体の中に落ち、感染症や網膜剥離による
「失明」 となる事故を起こす可能性があり、
 後嚢は触るべきとこではないのでは?
Bしかも一部白濁が残っているが、
 後発白内障のリスクを高めないのか?
C硝子体の一部を摘出してしまってレンズが脱臼したり
 炎症を強めたり、易感染性にならないか?
D後嚢側へのレンズの脱臼は起きないのか?
E後嚢白内障のオペの術式は前嚢部のものと同一か?


術後のひどくやつれたにぃにぃを見て切なくなった。

極度の緊張感と恐怖心から逃げるよに診療室を出てから、
最後の力をふりしぼり、車に飛び乗ったかと思ったら、
すぐに横たわり、じっと両目を閉じて動かなくなった。

毛艶も悪く、震えていた。



在宅治療開始

1)4種類(タリビット、マキシデックス、ミドリン、ヒアレイン)の点眼薬を朝、昼、晩と一日3回、点眼と点眼の間は最低15分開ける点眼治療。
2)ケフラール(1000mg/日:一日2回で1回2錠、6日分)、プレドニン(15mg/日:一日1回で1.5錠、3日分)、ガスター(20mg/日:一日1回2錠、3日分)の内服。
3)食事療法:脂質を抑える病院処方食(SPECIFIC 犬 減量用 CRW-1 300g )を150gづつにして、低脂肪用ドライフードをいつもあげている量を7割にして一緒に与える)


F食事療法は極めて曖昧。
一日の摂取カロリーの制限なのか、脂肪のみを減らすのか?
明解な回答が得られないまま、かかりつけ医に相談してくれとの事。
とりあえず低脂肪用のフードを探すことにした。

人間の白内障手術と基本的には同じであるが、
受ける侵襲はかなり大きなものがあると思った。

背中の腫瘍を取った時より、とても全身衰弱している様子だった。



11月20日(術後2日目)
S先生診察:細隙灯顕微鏡検査結果
評価:極めて良好

肉眼でみてもIOLが混濁なくはっきりと見えた。

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バスターカラーがやはりストレスらしく、
壁にガツンガツンとあたりながら歩いているが、
全身的にはまずまず元気な様子。順調にみえる。

バスターカラー(20センチ)を装着していたが、
横からみると、目と鼻が丸見えで、
これでは障害物にあたってしまうのではと
AA(動物介護士)さんに聞いてみた。

結果は25センチに変えてもらった。
これなら少し顔が小さく見えると本人も納得の様子…

次回の予約を取り帰宅。

バスターカラーをはずして、頚部の被毛をブラッシングしたところ、
深緑色の染色に毛が染まっていることを発見。

皮膚はかなりただれて、皮膚炎を8センチ範囲で起こしていた。

以後、毎食後にカラーをはずして、カラーの除菌と、
ドライヤーで完全に乾かし、被毛の手入れののち、魔法の薬と呼んでいるデルスキン(ステロイド)をスプレーするようにした。

G緑色になんで染まってしまったの?

術後の食事療法
フードは今まではROYAL CNAINE phコントロールを膀胱炎の再発防止のため、約6か月以上続けてきた。
このフードだと粗脂肪が14.0以上ということで、
カロリーをキープし脂肪を抑える食事が必要とのことでしたので、
ニュートロのシュプレモ ライト(肥満犬用)を購入した。

犬の摂取カロリー計算:去勢・避妊していない健康的な犬は、
1.8×(30×体重(キロ)+70)が概ねの目安なので、

にぃにぃの場合は:約1500Kcalが最低必要!

一日あたりシュプレモ240g(808kcal)と
SPECIFIC CRWを300g(876kcal)摂取すると
トタール摂取カロリー:1684Kcalでまずまずと判断し、
食事療法を開始した。



11月21日(術後3日目)
目ヤニは茶褐色の粘秱性物質が少量付着するも、
眼をしょぼしょぼさせて眩しそうにしている。
ステロイド内服の影響で、
室内のトイレシートでオシッコを頻繁にする。
ステロイド内服終了(3日間服用)。

11月22日(術後4日目)
やたら患側の目をしょぼつかせる。
ほとんど閉眼したままで、縮瞳がみら始める。
充血は軽度見られる。
なんとなく疲労感あるもが食欲旺盛。
排便、排尿障害なし。

11月23日(術後5日目)
眼瞼結膜部に充血がみられ、縮瞳したまま。
スポット状の瞳孔。
散瞳剤でもほとんど変化みられず。

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それにしても、4種類の点眼を一日3回は相当、きつい。
本人も休まる間がない。

11月24日(術後6日目)
術後検診2回目
院長先生は不在で、若い先生に診てもらう。
やはり、散瞳剤に反応せず、縮瞳のまま。
炎症所見は特に見られないとのこと。

頚部の被毛の緑色に変色し、皮膚炎が生じていたことは、
『前からそうだったんじゃないですか?』
と言って診ることさえしなかった。

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原因は食事による脂肪分が炎症因子として働き、
前嚢部とIOLとの間に癒着を起こしているかもしれないと。
網膜剥離につながることもあり、その場合は失明になる可能性がある。

ステロイドの追加(一日25mgを3日分)と抗生物質(ケフラール)をさらに2日分追加になった。


2日後に院長先生に診てもらうようにと予約をとり帰宅。



11月25日(術後7日目)
ステロイドの内服の影響か、やや散瞳傾向が見られる。
昨日に比べ10%は瞳孔がひろがってきた感じはするが、
反応は右目に比べると遅い。

11月26日(術後8日目)
術後検診3回目
S院長先生の所見説明
『縮瞳が見られ、散瞳剤にも反応しない。IOLは確認できる。著明な炎症所見はないが、脂質が角膜細胞に対して炎症因子として働き、IOLと癒着している可能性はある。血液検査をかかりつけ医でしてもらって、正常範囲内ではあると思うが、それでも細胞レベルで関係している可能性があり、それは本人の素因でもある』

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Hそこまで脂質にこだわる理由はなんでしょうか?エビデンスはないとのことだが、まだ経過観察の範疇なのか?

このまま様子をみましょうとのことにて帰宅。



11月27日(術後9日目)

縮瞳は見られるまま。眼をほとんど閉眼している。
眼瞼下垂が著明。

かかりつけ獣医にて術前検査と同じ内容で採血。
結果はTG(トリグリセリド)は65mg/dlで正常値。
CRPも0.1mg/dlで炎症所見なし。
その他以上所見なし

かかりつけのT先生は、TGの毛様体炎の関係はわからない。
クッシング症候群甲状腺機能低下症の可能性もなくはないが、
かなり低い。眼科に関してはS先生がわからなければ、
おそらくどこにいってもわからないだろうとのこと。

この数日で急に老けこんだ様子のニコチン。
とても元気がなく、せつない顔ばかり。

手術をして良かったのかと…ニコチンには本当に申し訳ないけど、
そんな事を考えてしまう。

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ニックネーム yo4 at 10:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする